万年筆について知ってみよう

■万年筆とは

ペンの胴軸内部に保持したインクが毛細管現象により、溝の入ったペン芯を通じてペン先に持続的に供給されるような構造を持った携帯用筆記具の一種です。サラサラとしたインクが特徴で強い筆圧をかけずに筆記することが可能です。

万年筆の歴史は200年以上といわれています。羽根ペンのペン先にインク付けて文字を書いていた時代、なんとかインクの絶えない筆記具を作ることはできないかとフランスの科学者ニコラス・バイオンが研究を始めたことから始まりました。

その後、インクの供給がスムーズでかつ携帯可能な構造になるまでに多くの人が関わり試行錯誤か繰り返され、現在の万年筆の形が出来上がりました。日本では、1800年代後半に輸入されたことがきっかけで広まり、『インクが絶えることがない』『ずっと書き続けることができる』ペンということから『万年筆』と呼ばれるようになりました。

 

■万年筆の構造

■万年筆の種類

一般的なペン先の種類は、EF(極細字)、F(細字)、M(中字)、B(太字)です。

その他にも、ドイツ語で初心者を意味するAnfängerの頭文字を冠したAニブ (ラウンドニブ)や、左利きの方用に開発されたLH(Left-handed)ニブ、漢字の筆記を念頭に開発された漢ニブ、カリグラフィ用のニブがあります。

 

■ペン先の素材

金が一般的です。24K(純金)では筆記に対して耐久性に難があるため、18K、14Kなどの合金で作られることが多く、筆記に最適なのは14Kと言われています。金は高価なイメージがありますが、インクによる劣化や腐食に強く、筆記の際のタッチがやわらかい為使い続けることで自分の書き方に馴染み、愛着の沸く一本へと仕上がります。

近年では鉄やステンレスも多く流通しています。ボールペンやシャープペンシルの筆記に慣れている方、また初めて万年筆を使われる方に向いていると言われています。金ペンと比較すると硬度が高く、筆圧をかけて筆記することに慣れている方が使用しても破損しにくいというメリットがあります。金ペンほどではありませんが耐食性もあり、また安価なことから老若男女幅広い人から支持されています。

 

■初めての万年筆におすすめのシリーズ

サファリアルスタールクスabc 

どの製品も首軸の部分に親指と人差し指を添えるためのくぼみがあり、万年筆の持ち方をガイドしてくれます。いずれもペン先はステンレスで、硬度が高く、筆圧をかけて筆記することに慣れている方が使用しても破損しにくいメリットがあります。ご購入時にカートリッジインクが1本付属しており、装着が簡単で手が汚れる心配も少なく、気軽に万年筆を使い始めることができます。

abcはラウンドニブで、左利きの方もお使いいただけます。字幅はMに近く、強めの筆圧にも耐えることができます。

 

 ■インクと補充方法

万年筆は大きく分けて、【カートリッジ式】【コンバーター式】【吸入式】とあります。

【カートリッジ】と【コンバーター】のどちらも使用できるタイプを【両用式】と呼びます。

【吸入式】の場合、【カートリッジ】や【コンバーター】は使用できません。

 

【カートリッジ】カプセルの中にインクが入っているタイプ。ペンの胴軸内に差し込むだけで即筆記が可能です。携帯にも便利です。

【コンバーター】首軸にセットし、ボトルからインクを吸い上げて使用します。カートリッジインクに比べると、コストパフォーマンスが高いと言えます。

【吸入式】コンバーター不要でボトルインクから吸入するだけで使用可能です。首軸にインク窓があり、ペン内のインクの残量を確認することができます。ラミーではLAMY2000シリーズのみ吸入式が採用されています。

・インクの装着方法、インクの吸入方法は「製品マニュアル」のページをご覧ください。

 ■万年筆の持ち方・書き方

・ペン先の向き ペン先の表面を上にし、ペン芯が下になるようにします。

・角度 45~60度。ペンを立てすぎるとインクが出ないことがあります。

・筆圧 筆圧は不要。ペン先を紙の上に置いただけで毛細管現象によりインクが出る仕組みになっています。

【うまく書くコツ!】ペンは捻って持たずに、切割(ペン先の真ん中の切込み)の左右どちらも紙にあたるイメージで書く掠れにくくなります。

 

 ■万年筆を長持ちさせる方法

万年筆はメンテナンスを必要とする筆記具です。

・できるだけ毎日使用しましょう→インクを通し続けることが一番の長持ちの秘訣です。

・毎日使っていても時々水洗いによるメンテナンスをおすすめします。

・長期使用しない場合はインクを抜いて洗浄しましょう。

 

 ■万年筆のお手入れ

 毎回使い終わった後は、

・使用後は確実にキャップをしてください。

・ペン先が下にならないように保管してください。

・インクのカラーを変える場合には、必ず水洗いによるメンテナンスを行ってください。違う色同士のインクが混ざると化学反応によってインクが固まる場合があります。

・軸表面が汚れた場合は、柔らかい布で拭き取ってください。薬品で軸表面を拭き取らないでください。

定期的に洗浄しましょう。洗浄方法は「保証・修理・お手入れ」のページも併せてご覧ください。

 

 ■初めての万年筆に慣れたら

・ゴールドニブ採用ペンを使ってみる

初めての万年筆で筆記の感覚を覚えたら、スチールペン先とはまた違った書き味を体験してみましょう。

ステップアップのペンとしてふさわしいシリーズの一つに、LAMY2000があります。LAMY2000バウハウスのDNAを今に伝えるラミーの原点とも言えるモデルです。ペン先は14金ですが、ゴールドニブの上にプラチナコーティングが施されており、クラシカルな金色よりもモダンでクールな印象の万年筆です。ボディは樹脂とステンレスのコンビネーションで、磨き上げられた樹脂の表面には繊細なヘアライン加工が施されています。購入直後はマットな質感ですが、使用すればするほどにつやが出てきます。

ペン先とボディの変化を楽しみつつ、自分だけの1本を作ってみてはいかがでしょうか。

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